古物商許可を取得するためには、古物営業法が規定する3つの要件(欠格事由、営業所、管理者)をすべて満たす必要があります。
いずれかの要件を満たしていない場合、許可を受けることはできません。
主要な3要件:「欠格事由に該当しないこと」「営業所の確保」「管理者の選任」
1. 欠格事由に該当しないこと
古物営業法第4条では、許可を受けることができない者(欠格事由)が定められています。
申請者(法人の場合は役員を含む)または管理者が以下のいずれかに該当する場合、許可は下りません。
破産手続開始の決定を受けて、まだ免責許可などの復権を得ていない者。
拘禁刑以上の刑に処せられた、または特定の犯罪(窃盗、背任、遺失物横領、盗品等関与、古物営業法違反など)で罰金刑を受け、その執行が終わってから5年を経過していない者。
集団的、または常習的に暴力的不法行為などの罪にあたる違法な行為を行うおそれがあると認められる相当な理由がある者。
暴力団対策法の規定による命令や指示を受け、その日から3年を経過していない者。
住所または居所が定まっていない者。
古物営業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過していない者(法人の場合は、取消しの原因となった当時の役員も含む)。
許可の取消し手続き(聴聞)の通知を受けた後、処分が決まる前に自主的に許可証を返納し、その返納の日から5年を経過していない者。
心身の故障により、古物商の業務を適正に実施することができない者。
営業に関して成年者と同一の行為能力を持たない未成年者(ただし、法定代理人が欠格事由に該当しない場合などを除く)。
営業所ごとに、業務を適正に実施するための管理者を選任することができない相当な理由がある者。
法人の役員(監査役なども含む)の中に、上記1~8のいずれかに該当する者がいる場合。
欠格事由に該当するかどうかの判断は、個別の事情により異なる場合があります。
ご不安な点がある場合は、事前に管轄の警察署または行政書士へご相談ください。
2. 営業所が確保されていること
古物営業を行うための拠点(営業所)には、使用権原が必要です。
賃貸物件・使用承諾について
自己所有でない物件を営業所とする場合、警察署から「賃貸借契約書の写し」や「使用承諾書」の提出を求められることがあります。
バーチャルオフィスの取り扱い
実体のないバーチャルオフィスや、短期契約のレンタルオフィスでは、一般的に独立性が認められず、許可を取得できません。
営業所としての実態(独立した区画、長期の使用権原)が必要です。
3. 管理者が選任されていること
営業所ごとに、業務を適正に管理・監督する責任者(管理者)を1名選任する必要があります(法第13条)。
管理者は、古物取引の知識を持ち、盗品等の疑いがある物品を取り扱う際の対応などを行います。
個人事業主の場合、申請者本人が管理者を兼務することが一般的です。
名義貸しは禁止されています。営業所に常駐し、実質的に業務を管理できる者である必要があります。
まとめ
欠格事由の確認
過去の犯罪歴や破産手続きの有無など、法第4条の定める欠格事由に該当しないことを確認してください。
営業所の確保
営業所としての使用権原を疎明するため、賃貸物件の場合は使用承諾書等の準備が必要です。
管理者の選定
営業所ごとに常勤の管理者を選任してください。申請者本人の兼務も可能です。
要件の確認や書類の準備に不安がある場合は、当事務所までお問い合わせください。
行政書士がスムーズな許可取得をサポートいたします。
根拠法令:古物営業法第4条(欠格事由)、第5条(許可申請)、第13条(管理者)、古物営業法施行規則第1条